受付でのクレーム対応

受付でのクレーム対応

医療事務といえば病院の受付業務ですよね。受付は接客業・サービス業と言えるかもしれません。ですからクレームや苦情を受けることもあります。その対応についてお伝えします。

受付でのクレーム対応

クリニック等の医療機関の受付業務は、多くの人と接するので苦情・クレームを受けることがままあります。

 

もしかすると、接する人の割合で考えると他の接客業よりもクレームを受ける確立は高いのかもしれません。

 

それは、医療事務員が接する人というのは患者であり、何かしらの病気や怪我で万全な状態でない人だからです。つまり、健康な時と比べて精神的に余裕がない場合がほとんどだからです。

 

したがって、「トイレが汚い。」や「看護師の態度が冷たかった。」などの些細なことにも我慢できずに、苦情を言ってしまうのではないでしょうか。

 

また、直接診察や治療をしてもらう医師や看護士には言いにくいが、いつでも受付にいる医療事務員には気持ち的にも言い易いというのもあるでしょう。

 

ですが、逆にクレーマーと言われるほどしつこい人や、無理難題をふっかけてくるような人は少ないと思われます。

 

医療事務員として受付業務を担当する場合は、苦情やクレームは絶対にあるものとして気持ちを強く持って臨んで下さい

 

ただし、気持ちを強く持つと言っても患者さんに対して威圧的になったり、適当にあしらうような態度を取るのは意味が違います。

 

きちんと患者さんと向き合うことが大切です。

苦情やクレームを受けたら

患者さんから苦情やクレームを言われた場合、まずはしっかりと相手の話を聞くことが大事です。

 

ほとんどの場合、患者さんは言いたいことを言って、一言謝罪の言葉を聞けば気が済みます。

 

ですから、相手の話を決して遮らずに最後まで聞いてください。話の内容がおかしかったり、誤解があったとしても必ず最後まで聞いてから、謝罪するなり説明するようにしてください。

 

繰り返しますが、絶対に相手の話を遮って説明や弁解をしてはいけません。

クレーム対応の仕方

受付をされている方の中には、苦情・クレームを言われるとテンパってしまって、ただひたすら「申し訳ありません。」を繰り返す方がいます。

 

実は、これは悪いパターンです。

患者「診療まだ?いつまで待たせるの?」

 

受付「申し訳ありません。」

 

患者「電話で予約してからきたんだけど。」

 

受付「申し訳ありません。」

 

患者「もう1時間も待たされているのだけど。」

 

受付「申し訳ありません。」

 

患者「だから、あとどれ位待たないといけないの!?」

 

受付「申し訳ありません。」

 

患者「もういいわ!帰る。二度と来ないから!」

 

受付「・・・、申し訳ありません。」

 

冷静な状態で観察すると、受付の対応が悪いと言うのは明白ですよね。

 

ですが、実際このような対応をしてしまう受付の方がいるのも事実なのです。

 

ベストに近い対応としては最初に言われたときに、名前を確認し次のように伝えられることです。

 

「長い時間お待たせしてしまい申し訳ありません。あと○人ですので、○分程お待ちください。」

 

相手の気持ちに寄り添った謝罪を

「それは分かるけど、いきなり苦情を言われて冷静に対応できない。」
と思われる人もいるでしょう。

 

ここで、上の例で患者さんの気持ちを考えてみてください。

 

「口先だけの謝罪で、この人は『めんどくさいな。早く終わらないかな。』程度にしか思っていない。
私は体調が悪いから病院に来てるのに、それで1時間も待たされて、どれほど辛いか全然分かっていない!」

 

多分このように感じているでしょう。

 

ですから、「あなたのおっしゃっていることを理解していますよ。」ということを示すことが必要なのです。
つまり、相手の気持ちに寄り添った謝罪をするということです。

 

「なるほど、それは分かった。だけどその場ですぐに相手の気持ちに寄り添った謝罪なんて出来ない。そこまで冷静でいられない。」

 

という人もいるでしょう。

 

そこで簡単なテクニックを一つお伝えします。

苦情・クレームに対する謝罪のテクニック

相手の苦情・クレームを復唱してから謝罪する。
(+出来れば相手の気持ちを添える)

 

単に「申し訳ありません。」だけを繰り返すのは、相手の怒りに火を注ぐ結果ともなりかねません。

 

ですから、相手の言っていることを理解していますよ。というのを示しながら謝罪するのです。
それには「相手の苦情・クレームを復唱してから謝罪する。」のが効果的です。

 

例えば、

患者「いつまで待たせるんだ。」
受付「お待たせして、申し訳ありません。」

 

患者「トイレが汚かった。」
受付「トイレが汚れており不快な思いをさせてしまい、申し訳ありません。」

 

患者「看護師の態度が悪い。」
受付「看護師の軽率な態度で不快な思いをさせてしまい、申し訳ありません。」

というような感じです。

ちゃんと相手の話を最後まで聞く。そして、相手の言葉を復唱しつつ謝罪する。

これでほとんどの苦情・クレームに対応できます。

 

騙されたと思って、是非試してみてください。

 

ただし、当然ですが、難癖をつけて何か理不尽な要求や、金銭的な要求をしてくる相手に対しては、毅然とした態度で接してください。

 

患者さんの気持ちに寄り添って謝罪の言葉を伝えることは良いですが、それ以上の何か特別な待遇等をする必要は決してありませんので。

<補足>
「いつまでも治らないじゃないか。」「医療ミスではないか。」というような医療事務員ではどうしようもないクレームは、さっさと医師等に引き継ぎましょう。

 

また、態度や言葉が悪いというクレームが多い医師や看護師がいる場合は、わざと本人を呼び出して直接患者さんの対応をさせることも良いでしょう。

 

そのあたりは、やはり臨機応変に^^