カルテはどの医療機関にも保管されている用紙になります。患者さん一人一人にどんな治療を行ったかを記録していく用紙です。
これを診療録といい、病院ではカルテと読んでいます。
コンピーターを導入している病院では、紙ではなく電子カルテといってお医者さんが診療内容を直接その場で入力しているところも増えてきています。
中には、紙とコンピューターを併用しているような病院もあります。
ですが、紙であっても、コンピューターであっても記録する内容に違いはありません。
今回はカルテ(診療録)の見方をお伝えしていきます。
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また、エクセルファイルが欲しい方はこちらをどうぞ。学習等にご利用ください。
*カルテの書式は決められたものがあるわけではありませんので、医療機関によって異なってきます。
表面(診療録と書かれている面)右一番上に「保険者番号」があり、その下に「被保険者証・被保険者手帳の記号・番号」があります。
医療保険には様々な種類がありますが、これらの番号を見れば大まかに区別がつくような仕組みになっています。
左側の受診者とは診療を受けた患者さんのことです。
その下、「傷病名、職務、開始、終了、転帰/期間終了予定日」という項目がありますが、これ以降は医療事務担当者が書き込むことは出来ないことになっています。
診療を担当した医師が記入していく欄となります。
ただし、それより上はすべて医療事務担当者が患者さんから預かった被保険者証から読み取り、紙の場合は記入したり、コンピューターの場合は入力していくこととなります。
次に裏面ですが、多くのカルテは両面で記載できるようになっており、裏側のほうは具体的な診療内容などが記入されます。
今回のカルテ裏面では左半分に「既往症・裏面・主要症状・経過等」が記入されます。
既往症(きおうしょう)とは、その医療機関でのこれまでの診察履歴です。
日付からはじまり、主訴(患者が訴えていること、つまり病院に来た理由)や症状などの要点が記入されます。
右半分に「処方・手術・処置等」が記載されることになります。
左に記載された症状に対して、医師がどのような治療をおこなったかが記入されます。
例えば薬を処方した場合には、Rp(レシピ)の略語と共に処方した薬の名称、量などとともに「薬剤情報提供(文書)」などの記述がなされることとなります。
薬剤情報提供(文書)は薬に対する説明書を渡したという意味です。
医療事務員が実際にカルテに記入・入力するのは傷病名より上の上書き部分と言われる箇所のみですが、このカルテからレセプト(診療報酬明細書)を作成するので、医師の書いた診療内容等を読み取る力が必要になってきます。