「社会保険」の意味は人によって違う! | 医療事務資格の真実

「社会保険」の意味は人によって違う!

「社会保険」とは医療事務の勉強を始めたとき、最初に学ぶことです。

 

日本の社会保障制度は社会保険、社会福祉、公的扶助、保健衛生からなり、個人の病気、怪我、出産、障害、死亡、老化、失業などのリスクの予防、保障を目的としています。

 

特に「社会保険」は中核となる存在であり、その中に医療保険があります・・・

 

のような感じで説明されていることでしょう。

 

ここで「うん、その通りだよね。」と思われる人と、「医療保険の一つが社会保険なんじゃないの?」と思われる人がいると思います。

 

実はここが、結構多くの人が混乱する部分なのです。
結論を言ってしまえばどちらも正解です。

 

したがって、話が合わなかったり、医療事務のテキスト内容が理解できない。なんてことが起こるのです。

 

例えば、生活保護者は国民健康保険から除外され、診療費用は全額医療扶助として公費負担となります。一方で、生活保護は保険給付が優先されるため、診療費の7割は社会保険で、残り3割を医療扶助として支出する。なんて記述もあります。

 

ここで、社会保険の中に医療保険があって、医療保険の中に国民健康保険や被用者保険あるとだけ理解している人は、混乱してしまうのですね。

 

実はここで言っている社会保険とは被用者保険だけのことを意味しています。

 

この他にも「社会保険」と一口に言ってもその人の立場で想定している意味が違ってきたりしますので要注意です。

 

まとめてみますと、社会保険とは

  • 医療保険、年金保険、介護保険、後期高齢者医療、労災保険(労働災害保険)、雇用保険の総称

    社会保障制度の一つとして社会保険を捉えた場合、この理解となります。

  • 医療保険、年金保険、介護保険、後期高齢者医療の総称

    私が医療事務を知らず、一般の会社で給与計算や社会保険手続きを担当していたときの社会保険の理解はこれでした。
    この場合、労災保険、雇用保険は「労働保険」となります。
    *会社が年に1回、労災保険料と雇用保険料の納付額を決定するために労働局に提出する申告書は「労働保険申告書」と言います。

  • 医療保険(健康保険組合、共済、国民健康保険等)

    いわゆる保険証を発行している制度を総称して社会保険と考える人もいます。

  • 被用者保険

    医療保険のなかの国民健康保険(地域保健)に対して、被用者保険(職域保険)だけを社会保険と呼ぶ場合もあります。
    ただし、職域保険について、健康保険・共済だけでなく、厚生年金、労災保険、雇用保険なども含むと考えている人もいますし、国民健康保険組合も職域保険に含める人もいます。

このように、「社会保険」という単語はいろいろな意味で捉えられており、かつ、どの定義が正しいというわけでなくどれも正しいというのが正解なのです。

 

ちなみに、所得税で社会保険料控除というものがありますが、この場合の社会保険料には健康保険料、共済掛金、介護保険料、厚生年金保険料、雇用保険料の他、厚生年金基金や国民年金基金の掛金が含まれます。
他にも、医療保険と言った場合、民間企業の生命保険会社や損害保険会社で販売している保険をイメージする人もいますので、相手がどういった意味でその単語を使っているのかを注意深く見極めることが必要です。

 

ややこしいですが、これらのことを理解していなければ、勉強や業務で無駄に時間を浪費することになりかねませんので、しっかりと覚えておいてください。

 

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