医療事務を学ぶに当たってまず覚える事が医療保険制度です。実務においても、まずは患者さんがどの保険制度に加入しているのかを判断する事が第一歩となります。
日本の社会保障制度は、大きく分類すると「社会保険」「公的扶助」「公衆衛生」「社会福祉」の4つに分かれます。
これらの中で、医療事務としては社会保険と公的扶助をしっかりと学ぶ必要があります。
憲法第25条において
1.すべての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
2.国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
と定められおり、社会保険(広義)はこの規定に基づき社会保障を実現するための制度の一部です。
社会保険とは、具体的には病気、けが、障害、分娩、老齢、死亡、失業等によって生ずる精神的な苦痛、経済的な損失に備え、国民生活の安定を図るものです。
この社会保険の一部である医療保険制度を、医療事務の勉強においてはより深く学んでいくことになります。
例えば、医療保険では、病気や怪我で診療を受けた場合に保険証を提出することで、自己負担の3割分を支払うだけで済むことになり、残りの7割分は健保組合などの保険者が支払います。
また、障害や分娩、また病気等で就労する事ができない場合に、手当て等の各種給付金の支給があり、死亡の場合は埋葬費が支給される。というような項目があります。
ちなみに、医療保険は、日本では昭和36年に国民皆保険体制が確立され、「国民は必ずどれかの医療保険に加入していなければならない。」と定められました。
また、よく聞く介護保険ですが、介護保険は医療保険に含まれるものでなく、医療保険と並んで確立されている社会保険制度の一つとして扱われています。